【タイトル】
日本型のエリート教育とは

【趣意】
戦後から半世紀、バブル崩壊から四半世紀を迎えた今日、日本は様々な課題を抱えています。過去数年を振り返ってみても、膨らむ財政赤字、様々な分野においての国際競争力の低下、東日本大震災・原発事故への対応など、事態は深刻な様相を呈しています。そのような「国家の危機」が叫ばれるたびにしばしばマスコミの報道やインターネット等のメディアの非難の対象となるのは、政治家や官僚、大企業のトップなど、いわゆる「エリート」と呼ばれる人々の資質です。このような事例からもわかるように、国内情勢と「エリート」とは一般的に密接な関係にあるものと捉えられると考えられます。一方で、「エリートの育成(=エリート教育)」には決して積極的でないのが日本の現状です。むしろ、日本では、エリート教育は平等性と相反するものであるという暗黙の了解が教育文化の根底にあるように感じられます。

しかし、本来「エリート」という言葉は、単に特定の固定された地位や階級をさすものではなく、教育社会学者・麻生誠氏も指摘しているように「社会的指導性を発揮する機能集団」であり、それゆえ麻生氏はエリートの一般的な条件として、時代と社会が要求する卓越した能力の他に社会奉仕の精神(ノブレス・オブリージュ)や社会的指導者としての自覚を持つことを挙げています。このようにエリートを広義に捉えると、「エリート教育」は必ずしも否定的なものではないのかもしれません。むしろ、冒頭に述べたような課題を解決していくためには、国家の指導者的立場に立つ人材に必要な素養を問い直し、効果的な「エリート教育」を行うことが鍵となるのかもしれません。

日本に多く潜在する指導者となり得る人材を発掘し、グローバル化や情報化の進む社会を舵取りしていけるリーダーとして育てるにはどのような教育が必要なのか考えたい。このような思いで、日本では議論を憚られる事も多いこのテーマを第九回十色会セミナーの中心トピックとさせていただきました。苅谷教授による講演とパネルディスカッションを通して皆様と一緒に日本におけるエリート教育の可能性について議論を深めていくことができれば幸いです。奮ってご参加ください。

発起人 岡本尚也・十色会会長

【ゲスト】
苅谷剛彦教授(University of Oxford, Nissan Institute of Japanese Study)

Nissan Institute of Japanese Study, University of Oxford
http://www.nissan.ox.ac.uk/staff_a-z_directory/staff-japan/tkariya
St Antony's College, University of Oxford
http://www.sant.ox.ac.uk/people/kariya.html

【講演内容】
1. 問題提起 「エリートの定義とエリート教育の必要性」 岡本
2. 解説 「日本のエリート(教育)の変遷と現状(仮)」 苅谷教授
3. パネルディスカッション 司会:岡本、パネリスト:苅谷教授、他4名(予定)
 3.1. 今エリートに必要な素養とは
 3.2. 日本における有効なエリート教育システム


【日時】
2012年6月24日(日) 13:30開場、14:00開始(予定終了時刻 17:00)

【場所】
Graduate Union http://www.cam.ac.uk/map/v4/drawmap.cgi?mp=mill;xx=206;yy=58;mt=c;tl=Graduate%20Union

【会費】
会員 無料、非会員 (学生:2ポンド 非学生:3ポンド)