【題名】
犬ゲノム解析:犬が教えてくれるヒトのこと

【発表者】
宮寺 恵子 氏 (博士課程, ケンブリッジ大学 獣医学部)

【日時】
2008年11月29日(土) 19時30分~21時30分

【場所】
Graduate Union, 17 Mill Lane, Cambridge

【発表要旨】
犬の遺伝学ですか...何かのためになるの?なぜ犬?そもそも誰がお金出すの?
犬の遺伝について勉強していると言うと、決まって受ける反応である。獣医領域の中でも、遺伝学、特に分子レベルでの遺伝学は比較的新しい分野である。生命の設計図と言われる塩基(A, T, C, G)配列の解読をはじめ、さまざまな解析技術の開発により、ヒトやマウスで集中的に行われてきたゲノム解析。犬でも2005年の犬ゲノム解読完了以来、あらゆる形質について解析が飛躍的に進んだ。毛色や体の大きさといった犬種差や個体差に関する遺伝子だけでなく、特定の犬種で発生する遺伝性疾患(てんかん、失明、難聴、免疫異常など)の原因遺伝子が数多く特定され、現在では50以上の犬の遺伝性疾患が遺伝子検査で診断される。
このように、犬のゲノムを調べることは犬のことをよりよく知り、より健康な犬を増やすことにつながる。だが、恩恵はそれだけではない。15,000年来の私たちのよき友達であり続けた犬には、ヒトと多くの共通点があり、われわれ自身のことについて学ぶことも多い。お話では、犬ゲノムの特徴、遺伝性疾患の原因遺伝子の探し方のほか、遺伝子検査や最近話題になっている血統書付犬種の問題について触れる。 冒頭の疑問が解決されますことを。