【題名】
地球規模の環境問題:気候変動に関するスターンレヴューの概説

【発表者】
井上 馨氏 (Land Economy)

【日時】
2006年12月9日(土) 19時45分~21時

【場所】
Seminar room, No1. Newnham Terrace, Darwin College

【発表要旨】
18 世紀に、ここイギリスで起きた産業革命以降、人々は石油や石炭などの化石燃料をエネルギー源として用いることで豊かな生活を享受してきた。その一方で近年、副産物として生じた「環境問題」を懸念する声をよく耳にする。しかし「今地球で何が起きているか」を、また、「これから何が起ころうとしているか」を、正確に把握する事は不可能に近い。これは現在起きている「様々な現象」の因果関係を立証することが困難であり、また「その深刻な影響」が我々の 子孫の時代に現実のものになるというタイムラグが存在するためである。更には「様々な現象とその影響」が国境を越えて起こるという事実が問題を一層複雑にしている。
こうした難題に対して、先日英国政府の委託に基づき、元世界銀行チーフエコノミストのニコラス・スターン卿が600 ページにも及ぶある報告書を作成し、議論を呼んでいる。
当セミナーにおいて私が環境問題を定義することは出来ないが、今後数十年間に地球で起こるであろう事象とそれに対してどのように取り組んでいくべきかについて、そのコストとベネフィットの観点から分析したスターン卿の報告書を概説することで、専門分野の異なる皆さんがこれから環境問題について考える一つのきっかけを提供したいと思う。
皆さんがセミナーに参加される前に、スターン卿のレポートの一説を紹介したい。
The investment that takes place in the next 10-20 years will have a profound effect on the climate in the second half of this century and in the next. Our actions now and over the coming decades could create risks of major disruption to economic and social activity, on a scale similar to those associated with the great wars and the economic depression of the first half of the 20th century. And it will be difficult or impossible to reverse these changes. (The Stern Review, p vi, para 7, 2006)